あなたへ
旅立ちに寄せるメッセージ

卒業ソング・卒業式の合唱曲

信じ合えることの喜び 悲しみに裏付けられた優しさ

合唱曲『あなたへ -旅立ちに寄せるメッセージ-』は、筒井雅子作詞・作曲(2006年頃?)による合唱組曲「時の女神」における最終曲。混声3部合唱(ピアノ伴奏)。組曲とは独立して、単独で卒業式などの卒業関連行事で歌われる機会が増えている。

作曲者の筒井雅子氏は、東京都杉並区内の小学校教師で音楽を教えており、合唱曲『あなたへ』および合唱組曲「時の女神」は杉並ジュニア混声合唱団の為に作曲されたという。

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前半はありふれた卒業メッセージ

『あなたへ』の歌詞では、「果てしない空へ 旅立ってゆくのですね」に見られるような第三者的視点から、新たな人生のステージへ旅立っていく若者へ、信じ合えることの喜びと、悲しみに裏付けられた優しさの尊さがを、旅立ちのメッセージとして切々と歌い込んでいる。

前半の歌詞は、比較的ありふれた「卒業生を送る言葉」的メッセージでまとめられており、この流れのまま曲全体が進んでいったとしたら、あまりこれと言って特徴のない曲のまま終わってしまっていただろう。

辛辣で重々しい感情表現 好き嫌いが分かれる?

この曲を特徴づけているのは、やはり後半の歌詞のやや重々しい辛辣な感情表現の部分にある。自己嫌悪、恨み、妬み、「荒んだ心」など、非常にネガティブで陰鬱な人間の心の闇の部分をこれでもかと書き連ねている

さらには、「張り裂けるような悲しみ」、「煮えたぎるような憎しみ」、「憎しみの極み」、「戦いの果て」など、人類の長い歴史の中で幾度も繰り返されてきた戦争の歴史にまで暗に言及しているかのような表現すら見受けられる。

こうした辛辣で重々しい歌詞の表現に対しては、人によっては好き嫌いが分かれるかもしれない。しかし、この曲では、こうした人間の心の負の部分を執拗に描くことによって、その後に続く「手と手をつなぎ」、「信じ合えることの喜び」、そして悲しみに裏付けられた優しさと愛といった人間の素晴らしい部分が強調されているのだろう。

明と暗、希望と現実が対比された歌詞

改めて歌詞を見ると、前半では「白」、「輝く」、「未来」、「温かい」などの明るく希望あふれるポジティブな世界が描写されているのに対し、後半の歌詞で人間の心の闇・黒い負の部分・ネガティブな側面が対置されている。こうした対照的な歌詞の配置には、心の闇に負けず、人との絆を大切に人生を歩んで行ってほしいという作者のメッセージが込められていると思われる。

なお、学生たちの晴れやかな節目の日である卒業式や3年生を送る会などでこの合唱曲『あなたへ -旅立ちに寄せるメッセージ-』を曲目に加える場合は、この歌で若干会場の雰囲気が重苦しくなることが考えられるので、次の曲は明るく希望に満ちたシンプルな曲目を選んでおくと無難かもしれない。

あなたへ(混声三部合唱)

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